TAKUDAI PROFILE~拓大人物図鑑~

戦後、女性の新時代を開拓したジャーナリスト。

敗戦による教育機会の平等化によって女性の大学進学が可能になったことをきっかけに、政経学部に編入学。拓殖大学の女子卒業生第一号であった。卒業後、読売新聞社に入社。戦後採用された初の女性記者となり、同社初の婦人部長のポストまで上り詰める。大学を出て企業人として活躍するという、現代においては一般化した女性のキャリアモデルを切り開いたパイオニアであった。戦後、初めて女性に選挙権が与えられるなど、女性を取り巻く日本社会の状況が大きく変化する流れの中で、男女間における社会的不平等の問題を見つめ、女性の地位向上に努めた。

ジェンダー関連で多数の書籍も出版した。金森は、男女同権を無闇にふりかざすような女性活動家ではなく、男女に限らず「自分の力で食べ、生きていく」ことを基本とする社会環境の整備を唱え続けた。読売新聞退社後も、神奈川県立婦人総合センターの初代館長として男女共同参画社会の実現に向け尽力し、その功労を称えられ、内閣総理大臣賞も受賞した。