TAKUDAI PROFILE~拓大人物図鑑~

アジア世界の解放に、生涯を賭す。

東京帝国大学に入学後、イギリスのインド植民地政策の悲惨な実情を紹介したことで名高い著『新印度』を読み強い憤りを感じ、「復興アジア」に目覚める。「復興アジア」とは、ヨーロッパ支配下で苦しむアジアの解放を意味する。1913年頃より亡命インド人の支援を通じて「復興アジア」思想を実行に移していった。かつての職場であった満鉄の総裁・後藤新平に見込まれ、35歳のときに拓殖大学教授となる。植民政策・植民史を担当し、情熱がほとばしる名講義だったという。

アジアの解放を望んだ大川は、アジアを超え、イスラーム世界やアメリカの黒人問題まで広く人種問題にも着目し、人種差別の撤廃とあらゆる人種の平等を強く主張し続けた。それは、しだいに学生にも影響を与えていった。アジアと密接に関わる国際大学だからこそ、大川の思想は学生の心を強く打ったのだろう。