TAKUDAI PROFILE~拓大人物図鑑~

大学教育に情熱を注ぎ続けた、内閣総理大臣。

1941年、東京帝国大学法学部政治学科を卒業し、内務省に入省。1947年、衆議院議員初当選。東大時代の恩師であり、第十代総長・矢部貞治の思いをつぐ意味もあり、拓殖大学総長に就任した(在職 1967年〜1971年)。1982年、内閣総理大臣を拝命。国鉄(現JR)、電電公社(現NTT)などの民営化を成し遂げ、サービスを大きく改善させた。大学教育には人一倍の情熱を持っており、当時の日本の大学教育のマンネリズムや、一部の教授や教授会の怠惰や事なかれ主義、没個性的な要領主義に喝を入れねばとの意気込みで、全学生を講堂に集め「総長講話」をよく行った。

また、拓大を日本民族における唯一の「民族的国際大学」と表現し、そのアイデンティティと存在意義を改めて規定した。すなわち、拓殖大学は校歌にあるように「人種の色と地の境」を超えて文明の開拓、人類福祉の開拓に前進し、貢献する人材を養成する大学である、と。中曽根主導のもとで実現したのが、財界人を招いた特殊講座「産業と人間」であり、この講義は2018年に50周年を迎え、現在もなお続いている。