TAKUDAI PROFILE~拓大人物図鑑~

全戦無敗、史上最強の柔道家。

「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」。柔道家・木村政彦の無敵ぶりを評した言葉である。拓大に入学すると、1年次の秋に挑んだ大会で優勝してから現役引退を退くまでの14年間、公式戦で一度も負けることはなかった。身長170センチ、体重85kgと、当時としても平均よりやや小さいほどであったが、数々の得意技を駆使し、大男も投げ飛ばした。拓大生時代の練習は、カエデの大木に帯を巻き、1日1000本の打ち込みをするなど、授業、食事以外のすべての時間を柔道に捧げ、他部員を圧倒。

1941年の卒業後は、大学に残り専門部武徳科助手となったが、まもなく出征。戦後はプロ柔道家になり、「柔道の木村」として名声を博し、プロレス界でも、力道山とともに日本のプロレス人気を盛り上げた。引退後の1961年には、拓殖大学の柔道部師範、講師として迎え入れられ、1965年、同部を全日本学生優勝大会での優勝へと導く。1977年に教授。熱心な指導ぶりは今の拓大柔道部でも語り草となっている。